高い熱が出ている場合の対処法

まず、高い熱が出てくる前によく見られる症状として、

@「寒い」という訴え、または、からだの強いふるえ
A気持ち悪さの出現、時には嘔吐

が見られることが多くありますので、
このような症状のある場合は、
十分に注意してください。
(寒いという訴えがある場合は、
まずは、十分に保温していただくとよいと思います。)

※ 体温が38.5度以下の場合

 基本的には、やたらと熱冷ましは使わない方が望ましいと思われます。これは、熱が出ることによって、体内の免疫(”自分”とは違うと認識されたものを排除するしくみ)がさらに活性化される可能性が高く、それによって、感染症の原因となる病原体(病気のもととなる細菌やウィルスなど)に対しての免疫がより素早く作られる可能性があるためと考えられているからです。
(例外はあります。例えば、元々、体温が低いような場合で、この様な熱でもぐったりしてしまう場合は、熱冷ましの使用して、楽にしてあげた方がいいでしょう。ただし、この場合も水分が充分にとれているかを確認してからの方がいいでしょう。また、以前に、低い体温でもひきつけの発作を起こしているような場合は、かかりつけの医師の指示に従っていただいた方が良いと思われます。)

 まずは、水分がとれているかどうかが大事です。高い熱が出ているときには、おなかの動きも悪くなるため、食欲も無くなってしまうのが普通です。このため、一回の水分量は少なく多くても150ml以下)して回数を多くとってもらい、食事も含めて、合計で1日当たりで1000ml以上の水分摂取が望ましいです。
 
この際、食欲がなく、吐いていたり、ひどい下痢をしている場合はさらに水分の取り方に気を付けなければなりません
こちらを参照して下さい。

この時、とってもらう水分は以下のものが望ましいです。

スポーツ飲料、または、うすいリンゴジュース
(人肌程度に温めるか、少なくとも、常温に30分以上
おいてあるもの)、または、人肌程度に温かいお茶や白湯、
またはミルク(薄めたもの(*)
とにかく、まずは、うすくて、冷たくない水分を飲ませてみる

※ 体温が38.5度を明らかに超えている場合

 基本的には、この様な場合も、まずは水分がしっかりとれているかが重要です。(体温が高いとそれだけ、体からの水分の蒸発も多くなるので、できれば、1日当たり1500ml程度は欲しいところです。また、水分がとれていないために、脱水状態になっているだけでも、ある程度の熱はでるものなのです。(もし、嘔吐・下痢症状があるようならこちらを参照してください。)しかし、これだけ、熱が高いとだるさも強いでしょうし、おなかの動きも悪くなるため、水分自体もとれません。このような場合は熱冷ましを使っても、仕方がないと思われます。ただし、この場合も熱が出る前に水分がしっかりとれていたかは大変重要です。なぜならば、熱冷ましを使うと大抵はかなり汗をかくからです。このため、熱冷ましを使うと、さらにある程度の水分が失われると予想されます。この場合、充分な水分がとれていなければ、さらに脱水状態を深刻にしてしまいます(→重大な事故(脳症など)を誘発させないとも限りません)。

 まずは、水分を充分にとらせることが重要ですが、より高い熱が出ているときは、おなかの動きもより悪く、あまり、食欲もあまり出ないのが普通です。(水分のとりかたは上記参照して下さい。)もし、水分があまりとれておらず、また、今後もとれそうでなければ、無理をせず、医師に相談する方がいいかと思われます。

 他に、熱を下げる方法としては、直接冷やす方法が考えられます。この場合、たとえば、よく”熱冷ましシート”などで頭を冷やしているのが、見受けられます。確かに、多少は冷えて、気持ちも良くなるかもしれませんが、これよりも氷枕やアイスノンなどで首のまわりやわきの下など近くに血管が通っている箇所を冷やす方が本当は効率的です。(これは、頭や全身に行く血液を冷やしてあげようという考え方からきています。)

 でも、本人がある程度食欲があり、特にだるそうでもなく、元気な場合はそのまま経過をみてもいいかもしれません。(理由は上記の通りです。ただし、熱性けいれんが以前見られている様な場合は別で、この場合は体温が38.5度を超えていたら、熱冷ましを使っていただいた方がより安心かと思われます。

まとめとして、

☆発熱時に早めに受診した方が良いと思われる場合

以上の場合は早めに医療機関を受診して下さい。


ミルクの薄め方について(粉ミルクでも同様にうすめてください。)

1段階薄める・・ミルク:お湯=2:1

(1回分150mlの場合 ミルク100ml+お湯50ml)

2段階薄める・・ミルク:お湯=1:1 (つまり、普段の半分にうすめる)

(1回分100mlの場合 ミルク50ml+お湯50ml)

いずれも、少し甘さが無くなるため、お砂糖などを適当に加える。

吐いている場合や下痢がひどい場合は、2段階薄めて行うようにし、
また、あまり食欲がない、便が少しゆるい程度なら1段階薄めて行います。
そして、与える回数で量をかせぐようにしてください。

なお、母乳の場合は、うすめることはできませんが、
比較的消化しやすいものでもあり、与える時間をいつもの半分にして、
与える回数を増やすようにしてください

但し、決して、無理には飲ませないでください。