吐いている、または、1日数回以上ひどい水様性下痢があるお子さまの対処について 【改訂版(2010年3月3日)】
原則的には、吐いてから2〜3時間程度は飲食は厳禁です。
様子を見てから水分摂取を試してみます。
ただし、吐き続けている場合は、無理をせず、医師に連絡して下さい。
(自家中毒(*)の可能性もあります。)この時、試してみる水分は以下のものが望ましい
スポーツ飲料、お茶、白湯、またはミルク(薄めたもの(**))。
(人肌程度に温めるか、少なくとも、常温に30分以上おいてあるもの)。下痢が無い場合は、うすいリンゴジュースもOKです。
とにかく、まずは、うすくて、冷たくない水分を試してみて下さい。
まず、1回5〜10ml(例えば、スプーン1杯、ペットボトルのキャップ1杯分)
を飲ませて、10〜20分様子を見ます。
↓
もう一度、5〜10mlを飲ませて、更に10〜20分様子を見ます。
↓
もう一度、今度は30〜50mlに量を増やして飲ませて、更に30分様子を見ます。
↓
特に変わりなければ(吐き気などが強くならなければ)、
1回 100mlを飲ませて、1時間様子を見ます。
(つまり、たくさん飲ませたら、より長く状態を観察する)
↓
もう一度、100mlを飲ませて、1時間程度を様子を見ます
(以上までの段階で、強い吐き気が見られる、または、吐いてしまう場合は無理に段階を進めず、
安静にして様子を見ます。または、余り、飲めそうも無いようなら医師に連絡してもらう。
(特に、1日で水分が400ml未満しか摂れない、
または、尿量が減ってきている(おむつの濡れ具合が少ない)などの場合は必ず連絡!))
↓
大丈夫そうなら、1回 150(〜200)ml程度を飲ませ、
やはり1時間程様子を見て、それでも、強い吐き気が無ければ、軽い食事から開始しても良いです。
(水分は普段で1日1000ml以上が望ましく、また、
高熱((平熱+1.5)度以上)の場合は
5割増で1500ml以上が望ましいです。)
この際、食べるものとしては冷たいもの(アイスクリームなど)や脂気の強いものは避けるようにして、
主食類(おかゆ、ごはん、パン、うどん等)を中心とするようにします。
(アメなどを普通になめることができる方なら、それをなめるのも、ある程度は、効果的だと思います。)
基本的には、吐いている時と同じ対応とします。
ただし、果汁類や果汁ジュースなどは更に、
下痢をひどくする可能性があるので、控えるようにします。
特に小さなお子さまの場合、胃腸が未発達であるために、かぜなどの感染症が胃腸に生じた場合、栄養の消化・吸収が不十分となる場合があります。この場合、体中の細胞が活動するエネルギーが不足状態におちいるため、この不足を解消すべく、体にある脂肪や筋肉などにある蛋白質を取り崩して、これを燃やして栄養分とします。
→しかしながら、この際、糖質以外の栄養分(特に脂肪)が燃えたばあい、”燃えかす”が残ります。これが、いわゆるケトンです。このケトン体が水分がないために尿などで排出できず、体にたまってしまうと、気持ち悪くなったり、頭が痛くなったりします。いわゆる「自家中毒」という状態です。こうなると、とても気持ち悪いため、口からは水分さえもあまりとれない状態になります。これを解消するためには、血管を介して(つまり、静脈注射で)の糖液の補給しかなくなってしまいます。こうならないためにも、気を付けて水分をとっていく必要があります。
** ミルクの薄め方について(粉ミルクの場合も同様にうすめてください。)
1段階薄める・・ミルク:お湯=2:1
(1回分150mlの場合 ミルク100ml+お湯50ml)
2段階薄める・・ミルク:お湯=1:1
(つまり、普段の半分にうすめる)
(1回分100mlの場合 ミルク50ml+お湯50ml)
いずれも、少し甘さが無くなるため、お砂糖などを適当に加えてください。
吐いている場合や下痢がひどい場合は、2段階薄めて行うようにします。また、あまり食欲がない、便が少しゆるい程度なら1段階薄めて行ってください。
なお、決して、無理には与えないでください。
(胃腸を休めてあげるのも大事なことです。)